経営と現場を繋ぐ!MESとERPで風通しのよい現場にしよう
会社として大きくなるために必要不可欠なのが、経営と現場をつなぐことです。2つの関係がうまくいくことで、より効率的な経営ができるようになるのです。そのためにはMESとERPで風通しのよい現場にしなければなりません。ここでは風通しのよい現場に必要なMESとERPを徹底解説します。ぜひじっくり読んでみてください。
IT化した先の仕組みを考える
MESとERPで風通しのよい現場にするためには、デジタル化が必要不可欠です。もちろんアナログも必要ではありますが、デジタルとアナログの境界線を見極めることも必要です。とくに匠の技術については、感覚的な部分があるためアナログを残す必要もあります。
しかしそのアナログを残しつつもノウハウを磨き続ける必要があるため、そこにはデジタル化も考えなければならないわけです。
デジタル化には二面性あり
デジタル化と一言でいっても、2つの面があることを理解しなければなりません。「業務を最適化するデジタル化」と「ビジネスを差別化するデジタル化」の2つがあり、それぞれを理解することが重要なのです。
・「業務を最適化するデジタル化」
センサや画像解析など技術を使って業務を効率化することを指しています。また自動化するなどして生産性を向上することも「業務を最適化するデジタル化」の一つです。
・「ビジネスを差別化するデジタル化」
顧客へ提供する製品やサービスをデジタル化して機能強化やコスト削減することを指しています。結果として経営の優位性を高めることにつながります。
MESとERPの関係
経営と現場を繋ぐために重要になるMESとERPですが、それぞれの関係性にも目を向けましょう。
MESとは?
ManufacturingExecutionSystemの略であり、製造実行システムのことを指しています。もう少し具体的なお話をすると、製造工程の把握や管理、作業者への指示や支援などのことです。工場の生産ラインの各製造工程と連携できることが最大の特徴であり、作業手順管理、入荷・出荷管理、品質管理、保守管理など11の機能があります。それらの希望をすべて用いる必要はなく、ケースバイケースで必要に応じて機能を利用します。
ERPとは?
EnterpriseResourcesPlanningの略であり、基幹系情報システムのことを指しています。もう少し詳しくお話すると、企業経営の基本となる資源要素であるヒト・モノ・カネ・情報を有効活用する計画を意味しています。
つまり企業の情報戦略には欠かせない重要な位置を占めているのです。ERPの導入メリットには、情報の一元管理があります。企業のあらゆるところに点在している情報を一箇所に集めるため、企業の状況を正確かつタイムリーに把握できるようになります。その結果、経営戦略や戦術を決定が容易にでき、結果として業務の効率化が図れるようになるのです。
MESとERPの関係とは?
ERPは製造業だけでなく、あらゆる業種で企業のリソース管理に活用できます。一方でMESは製造業に特化したシステムであり、業種が限定されます。
さらにERPは財務を中心として企業の経営の数字全体を管理するものであり、MESはERPの生産管理データのうち現場に近いレベルのものを管理するシステムです。つまりERPとMESの違いは管理レイヤーの差にあるのです。ERPは経営側、MESは現場と理解すると分かりやすいでしょう。
MESはどうやって現場と経営のパイプ役になるのか
MESにはさまざまなデータが蓄積されています。そしてそのデータは、工場間・工程間で共有されることになり、スマートファクトリーを実現するヨコの連携を支えることになるのです。これまでは、製品別の製造原価を原価要素の実績値を配賦処理して算出していました。昔は有効な方法とされていましたが、正確な原価が分かるのは費目別の月次処理後になるのが問題でした。
そこで活用されるのが、MESなのです。週次・日次ベースでできるだけスピーディーに原価計算を行うモデルを作成できるため、結果として経営戦略の変更が早くできるようになり、結果としてリスクを避けられたり、チャンスをつかみやすくなったり、といったことができるようになるのです。つまりは変化をきめ細かく把握できるようになるため、会社の方向性にも大きな影響を及ぼすようになると考えられています。
経営と現場を繋いでくれるのがMESとERPであり、結果として会社の風通しがよくなります。また経営戦略を練る上で必要なデータを効率的に集められるようになるため、より効率的に経営の方向転換なども図れるようになります。とくに近年は中国とアメリカの貿易戦争など、1秒1秒でダイナミックに経済が動いています。判断が遅れると大損することも考えられるため、より早くそして正確な判断ができるようになるためにもMESとERPは必要不可欠なのです。